バーベルスクワットにも様々な種類があり、バーベルを担ぐ位置によってもローバーポジション/ハイバーポジションと分けられます。
どちらを選ぶかでフォーム、重量、回数、鍛えられる部位…すべてが異なってくるんです。
その詳しい比較は後ほど書いていますが、本記事ではローバースクワットのやり方を詳しく解説する内容になってますよ。
初心者の方にもわかりやすいよう、図解イラスト満載です。
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ローバーとハイバーの比較
まずローバーとハイバーの違いを表にしました。
種類 | 担ぐ場所 | 効かせやすい部位 | 姿勢 |
ハイバー | 僧帽筋の上 | 大腿四頭筋 | 床に真っ直ぐに近い |
ローバー | 肩(肩甲棘)の下 | 大腿四頭筋、大臀筋、内転筋群、ハムストリングス | より前傾する |
ウエイトトレーニングの教科書と言われる名著「スターティングストレングス」でもローバースクワットがオススメされています。
特に重要視すべきは、ローバースクワットは「ポステリアルチェーン(身体の背面側の一連の筋肉)を強く動員する」という点。
ポステリアルチェーンはあらゆる競技で必要とされる筋肉群。
つまり色んな動作を行う格闘技にもローバースクワットが向いている!と言えるんですね。
【体験談】ローバースクワットで背負投の成功率アップ!
ウエイトトレーニングで唯一「強さに結びついた!」とはっきり感じたのはフルスクワットで背負投が安定するようになったこと。スタンスが安定し、投げた後も同体で転がりにくくなった。
— ウチダ@空道【総合武道】広報 (@kudo_uchida) September 21, 2021
私の空道における得意技のひとつが背負投。
その背負投の成功率がローバースクワットによって上がったと実感できた経験があります。
その時に重要になる筋肉は、ハイバーで鍛えられる大腿四頭筋(太もも表側)よりもローバーによる、
- ハムストリングス(太もも裏側)
- 大臀筋(お尻の筋肉)
- 内転筋群(股の内側)
これらの強化だったりするのです。
大体四頭筋を集中的に鍛えたい場合はハイバーを取り入れるのもありですが、ほとんどのスポーツ競技における動作はローバースクワットでカバーできる部位ばかりなんですね。
そんなローバースクワットの良さを大いに語ったところで、早速やり方を詳しく説明していきたいと思います。
ローバースクワットのフォーム
ここからは実際にローバースクワットを行う手順について説明しています。
パワーラックの設定
まずバーベルを胸の中心の高さにセットします。
低く感じるかと思いますが、高すぎるよりは低い方が良いです。
セーフティーバーは直立した時に手が触れる位置にセットしましょう。
仮にセーフティーバーがない環境で潰れそうな時、後ろにバーベルを放れば最悪の事態は逃れることができます。
逆に前に潰れてしまうのが一番危険なので注意しましょう。
ローバースクワットのスタートポジション
手の位置はバーの81cmラインの内側が好ましいとされています。
81cmラインとは
手幅はなるべく狭くして肘を後ろに張るようにしましょう。
すると、背中の筋肉が盛り上がってバーも安定するんです。
バーベルをくぐって背中の肩甲棘の下に当てましょう。
ローバーとハイバーの担ぐ位置
- ローバー:肩甲棘(けんこうきょく)の下
- ハイバー:僧帽筋(そうぼうきん)の上
肩甲棘とは、肩甲骨の上部にあるでっぱりのことです。(上記画像参照)
手首は曲げずにまっすぐ固定します。
NGなのは手首を曲げ、バーベルを手のひらに乗せるように持つこと。
親指はバーの上の乗せる方が、手首を真っ直ぐにしやすくなりますよ。
背中と手をサンドイッチし、ガッチリとバーベルを固定しましょう。
- 足のスタンスは肩幅
- つま先は30度外へ向ける
心地よく下ろすことのできる足幅というのは人によって異なります。
バーを持ち上げたら後ろへ1~2歩ほど下がり、スクワットに取り掛かります。
ローバースクワットのフォーム
足を曲げていくと言うよりは「ヒンジの動きで沈み込む=お尻を後ろに引いて前傾していく」という表現が当てはまります。
お腹に力を入れて背筋を真っ直ぐにしておくことも大事ですね。
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一番深く沈み込んだ時のボトム位置ではお尻が膝よりも下になります。
ハーフスクワットやクォータースクワットなど深さにも色々な種類がありますが、やはりフルスクワットでないと大臀筋やハムストリングス、そして内転筋群までしっかり働かせることはできません。
それよりも意識すべきは「足の中心からバーベルまで一直線上」これを保つこと。
目線のポイント
目線は1.5mから2m先を見据えます。
顔を起こして前方を見ると頚椎に負担がかかり、痛めることに繋がりかねません。
膝はつま先の方向へ曲げていきましょう。
ボトム位置まできたら静止はせず、すぐに上がり始めましょう。
参考
ちなみに、下がっていく際に蓄えられた筋肉のバネを利用して上昇する動きを伸張反射といいます。
上がる時に意識したいのは、まずお尻から引き上げる感覚。
こうすることで足のみならず、お尻や背中など身体の後ろ側の部分にまでしっかり効かせることができるんですね。
スクワットの呼吸について
基本的にはバルサルバ法(息を止めて踏ん張り、強い力を発揮させる呼吸法)で行います。
- 下がる前に鼻から息を吸って止めておく
- 下がって上がり切ったら息を吐きだしてまた鼻で吸う
息を吸う際は丹田(おヘソの下)に集め、腹圧を高めましょう。
そうすることで体幹が強化され、背中を真っ直ぐに保ちやすくなります。
心拍数が上がって苦しいと感じる時は、もう少し呼吸の時間を増やして大丈夫です。
最も重要なタイミングは「ボトム位置から上げる直前に息を止めておくこと」と覚えておきましょう。
息を吐けば体幹の力が緩み、背筋が曲がってケガに繋がる可能性が高くなりますからね。
注意
血圧の低い方、貧血気味の方は呼吸で無理をしてはなりません。
そもそも体調不良の時はトレーニング自体を控えましょう。
また、ベルトを使えば腹式呼吸を補助して体幹の強化に繋がります。
限界に挑戦するような高重量スクワットの時は、ベルト必須ですね。
ローバースクワットの回数・重量・頻度
まず回数(レップスとセット数)についてですが、格闘技など競技パフォーマンスに活かす目的なら「5~8レップス×3セット」がオススメ。
トレーニング頻度はできれば週に2~3回、最低でも週1回を目安にしましょう。
RM(上げることのできる最大回数) | 得られる効果 |
1~3 | 神経系、神経筋系 |
4~10 | 筋肥大 |
13~ | 筋持久力 |
よく世間一般で基本と言われる10レップス×3セットでも良いですが、それだと筋持久力強化の要素が入ってくることを認識しておきましょう。
決めた重量で5~8レップス×3セットできたら、次回は重量アップ(2.5kg~5kg単位)していくやり方が良いでしょう。
ローバースクワットの重量
バーベルスクワットの経験がない完全初心者はまず40kg~50kgを目安に行ってみましょう。
ウォームアップ例
- シャフトだけで10レップス
- 10kg重くして10レップス
- 更に10kg加えて10レップス
- 40kgを5レップス(メインセット開始)
成長速度と重量の上げ幅
5~8レップス×3セットをやってみて「どのくらい余裕を持って達成できたか」によって次回の上げ幅を設定しましょう。
- 余裕でこなせるようなら次回は+10kg
- ギリギリで達成できたら次回は+2.5kg~5kg
初心者の場合はどんどん重量が上がっていくものですが、徐々に成長速度は落ちます。
なかなか重量を上げられなくなってきたら、更に細かく1.25kg単位で上げ幅を調整し、少しずつステップアップするのが良いですね。
フォームは丁寧に意識した上で最大5~8レップス×3セット、これを肝に銘じましょう。
ローバースクワットまとめ
ローバースクワットの基本を述べてきました。
しかし人によって体格は異なるので、フォームなど微妙にアジャストさせる必要があることは認識しておいて下さい。
また、言わずもがなですが、食事と休養はトレーニングと同じように超重要です。
特にタンパク質などは、普通に生活しているだけでは不足しがちなので適宜プロテインで補うことをオススメします。
費用をかけてでもパーソナルトレーニングで教わる方が、間違ったフォームや食生活で何年も続けるよりは最終的にはコスパが良いと感じます。
なお、「筋トレに励んだところで強くならないんじゃないか」と疑問を抱いている方も中にはいると思います。
そんな方は以下の記事が参考になるかもしれませんのでチェックしてみてください。
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