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武術【カリ/エスクリマ/アーニス】の概要や基本技術を紹介・考察!

2021年5月30日

カリ、エスクリマ、アーニスのイラスト

カリとは、フィリピンで発祥した武術。

武器の使用をベースとした格闘技なんですね。

またの名を「アーニス」や「エスクリマ」などと呼んだりもします。

  • どんな武術なのか?
  • どんな技があるのか?
  • 実戦で強いのか?
  • カリ/エスクリマ/アーニスの違いは何なのか?

などなど深堀りしてみましたよ。

私の格闘技歴

ウチダの会話アイコンイラスト

ウチダ(@kudo_uchida

私、ウチダは「空道」という武道をメインに15年以上に渡り様々な格闘技を経験してきました。空道・全日本大会での優勝経験もあります。

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【カリ/エスクリマ/アーニス】のはじまり

海賊旗

発祥はフィリピン。16世紀のスペイン統治時代にさかのぼります。

当時、猛威をふるっていた「モロ」と呼ばれた海賊に対抗するべく、スペインの退役軍人の指導を元に戦闘術を練り上げた経緯があります。

それがカリ(アーニス/エスクリマ)の原型となりました。

やがて統治がスペインからアメリカに変わり、そこから爆発的に発展したと言います。

アメリカでも非常に盛んであり、各地に教室や道場があるんです。

【カリ/エスクリマ/アーニス】が登場する人気作品

  • 「SP」シリーズの岡田准一
  • 「ザ・ウォーカー」デンゼル・ワシントン
  • 「リディック」ヴィン・ディーゼル

カリと言えば俳優の岡田准一さんが思い出される方も多いでしょう。

映画「SP」シリーズでの戦闘シーンにはカリの技術が多分に生かされているそうです。

他にもハリウッド映画「ウォーカー」主演のデンゼル・ワシントン、「リディック」ヴィン・ディーゼルが、カリの訓練を事前に受けていたことが公言されていますよ。

【カリ/エスクリマ/アーニス】の違い

諸説ありますが、同じと考えてほぼ間違いありません。

以下のページに信頼性のある記述があります。

フィリピン武術 フジ・アーニス・クラブ カリの由来

人々の間で伝統的だと思われているものが、実は近代になって人工的に創り出されたものであるということはよくあることですが、「カリ」もそのひとつの例だといえます。「カリ」はフィリピン南部のモロに古くから伝わる武術などではなく、1970年代ごろからアメリカで使われるようになったアーニスの新しい呼び名なのでした。

「カリ」という名前を使い始めたのは、「フローロ・ビリャビリェ」という人物。

彼はハワイに渡り、アメリカでアーニスの普及に努めたパイオニアです。

ざっくり言えば、現地では「カリ」という呼び名に対する印象の方が強かったそう。

つまり、アーニスやエスクリマより「カリ」の方が定着させるのに都合が良かった、というのが真実のようですね。

だから武術の種類が異なるわけではありません。

エスクリマとアーニスの違い

これは単純に言語や地域による言葉の違いですね。

ウィキペディアにも以下の記述があります。

エスクリマ」はスペイン語でフェンシングを意味するesgrima、「アーニス」はスペイン語で鎧を意味するarnesに由来する[3]。古くは地方によって様々な名称で呼ばれていた。

引用元:エスクリマ - Wikipedia

フィリピンには110もの言語が存在することから「同じ意味でも異なる呼び名」というのが無数に存在しているだろうことは想像がつきます。

シラットとカリの違い

シラットの組手

また、シラットとカリも同義で使われることもあります。

しかし、この2つは明確に違うと考えて良いでしょう。

一応「カリ・シラット」という融合された技術が存在するのは確かです。

しかし起源は全く異なりますね。

  • カリ:フィリピンが起源でベースは武器術
  • シラット:インドネシアが起源でベースは徒手空拳

タクティカル・シラットのWEBサイトでも以下のように書かれていますよ。

シラットやクンタオ(拳道)はマレー文化圏に起源を持つ武術であり、ミンダナオやスールーのモロには古くから伝わっていますが、フィリピンが発祥の武術ではありません。

引用元:シラットとカリの違い | タクティカル・シラット

また、シラットに関しての基本的な解説は、以下の記事にあるので参考にしてみてください。

格闘技(武術)シラットのイメージイラスト
実戦的格闘技【シラット】の特徴・技・基本など初心者向けに徹底紹介

シラットとは、インドネシアを中心に東南アジアで広く普及している武術のひとつ。 有名で身近な話題だと「サイコパス」というアニメ作品でシラットが取り入られていることですね。 他にもルーク・ホロウェイという ...

【カリ/エスクリマ/アーニス】技術を考察

ここではカリの技術をいくつか取り上げ、考察してみました。

ディスアーム

カリのディスアームのイラスト

相手の武器を奪い取る技術をディスアームと言います。

カリに関する動画などをみていると、動きの最後には必ず相手の武器を振い落したりする動きが見られるんですね。

日本の剣術だと「奪い取る以前に斬りつけて絶命させる」そんなコンセプトが強い気がします。

カリでは想定する敵が海賊だったため、相対する武器も様々だったのでしょう。

この辺りの違いも面白いところですね。

間合いが近い

カリ、エスクリマ、アーニスの距離感

カリの間合い

カリの動きをひと目みてまず思うのは、相手との距離が非常に近いように感じます。

手で相手に触れられそうな距離で戦っていますよね。

剣道の間合い

剣道の間合い

例えば剣道だともっと遠いです。

剣先が重なり合う距離で牽制(けんせい)し合い、それ以上の距離になれば一触即発。

ウチダ
あくまで私の考えですが、理由のひとつとしては武器の長さにもよるものと考えられます。

剣道では刀という唯一無二の武器が前提。

もちろん槍や短刀などもありましがた圧倒的なメジャー武器は刀ですよね。

対して、カリはあらゆる道具を武器化することが前提に作られています。

素手であろうとナイフであろうと棒であろうと、応用・転化できるように練られているのです。

だから距離の短い武器でも対応できるよう、近めの距離が基本になっているのかもしれません。

カリはタックルにも対応できる

エスクリマの技術のイラスト

エスクリマなりのタックル対処法として、片足を引きながら相手を斬りつける動きがあるそうです。

MMAではタックルへのディフェンスとして、足を揃えないことが重要ですね。

足が揃えばバランスが悪くてこかされてしまいますから。

格闘における、あらゆる状況への対処法が内包されていて興味深いところです。

エスクリマの目潰し

まっすぐ目を突くのではなく、フック気味の軌道から目をひっかくようにして打つ目潰しがあるそうです。

なぜフックの軌道?
カクちゃん
ウチダ
おでこに当たると指が折れちゃうからね。

指を伸ばして突くと、頭部に当たればこちらが負傷する可能性が高いです。

それをケアした動きだと考えられますね。

目潰しにも様々な種類があって非常に面白いところ。

目潰しといえば我らがミルコ・クロコップ!
カクちゃん
ウチダ
ボブ・サップもヴァンダレイ・シウバも目をやられたね。

実際には、指で狙わなくても拳や裏拳による目潰しが有効です。

ミルコ・クロコップはボブ・サップの目に対する左ストレートでを眼窩底骨折に導きました。

ヴァンダレイ・シウバ(2戦目)の目は腫れ上がり、片目がふさがった状態で結果的にKOされてしまいましたね。

例え一撃で目を潰せなくても、動きを止めるためには非常に有効な技であることがわかります。

武器を持つ手を補助する動き

シラットカリの片手で打ち手を補助する動き

攻撃する方の手を反対の手で補助するという動き。

これはルーク・ホロウェイ氏のシラット解説動画でも同じ技術がありました。

格闘技(武術)シラットの肘ブロックの技術

そのまま両手で頭を抱えれば、頑丈なディフェンスになります。

攻撃力を高めると同時にディフェンスにも素早く転化できるのがポイントでしょう。

カリはどんな武器でも全対応できる

様々な武器

カリではあらゆる状況に対応できるよう、ナイフがあろうが素手であろうが全対応できるよう技が練られているのがわかります。

これは身近にある道具すべてを武器にできるよう技術が練られているためですね。

ウチダ
海賊にいつなんどき襲われるかわからないもん。
とっさに戦えるようどんな道具でも使えるようにしたってわけかあ。
カクちゃん

長い棒だろうがナイフだろうが基本的には動きは同じなのです。

まるで型の中に棒術が取り入れられた、かつての唐手(空手)のようですね。

シラットも踊りや舞踏の中に戦闘技術を隠していました。

武術とは、理不尽な暴力に対するために練られた知恵の結晶なのです。

【カリ/エスクリマ/アーニス】の教室

日本で習うことのできる、カリ/アーニス/エスクリマの道場について紹介しています。

アーニスクラブ東京

カリ/エスクリマ/アーニスの普及に従事するフィリピン武術の教室です。

都内各地で稽古を開催している他、神戸、新潟、仙台、北海道などでもセミナーを開催している模様。

主な稽古開催場所や日時は以下。

  • 高田馬場:日曜日の午前中
  • 中野:毎週月曜日の夜
  • 下北沢:毎週火曜日の早朝
  • 金町(葛飾区):毎週水曜日の夜
  • 日野市:毎週日曜日の夜
  • 小金井市/立川:毎週木曜日の夜

詳細は公式サイトを参考にしてみてくださいね。

>>>アーニスクラブ東京

カリ・マジャパヒット

カリ・マジャパヒットは世界各国に支部を構える団体。日本では六本木に支部があります。

カリやシラットを中心とした技術体系で、ムエタイなどのエッセンスも取り入れられているようですね。

練習日時は以下。

  • 火曜日:19:00-21:00
  • 金曜日:19:00-21:00

 

>>>Kali Majapahit Japan

【カリ/エスクリマ/アーニス】まとめ

  • カリは海賊から身を守るために練られた戦闘技術
  • カリ/アーニス/エスクリマの3つは全て同じと考えて良い
  • カリはどんな武器にも応用できるよう練られている

武術は戦争が背景にあることもしばしば。

他国の侵略への対抗手段として、戦闘武術が生み出されました。

カリは正にそうで、海賊による蹂躙(じゅうりん)に非力な市民が生き残りをかけて立ち上がったのです。

他の武術もそうですが、その奥深さには驚かずにはいられません。

カリ以外にも様々な武術について記事を書いています。

是非あわせて参考にしてみてくださいね。

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