腕十字は最も知られている関節技のひとつでしょう。
その基本とやり方に加え、様々な体勢からしかける方法を紹介しています。
さらに自分が腕十字をかけられた時の逃げ方まで解説していますよ。
動くイラストが満載でわかりやすい内容になっていると思います。
是非、参考にしてみてくださいね。
-
おすすめ格闘技8選【強くなりたい人向け】メリットや選び方を解説!
※この記事には広告・プロモーションが含まれており、アフィリエイトリンクを利用しております 格闘技に興味があるけど種類が多すぎてどれがいいのかわからない、という方は多いでしょう。 本記事はそんな方に向け ...
腕十字の基本とやり方
- 相手の肘を固定
- 圧をかける
- 破壊する
一言で言えば、
相手の肘を固定し、肘関節に対して本来曲がる方向とは逆方向に圧をかける
これが基本原理です。
実際のかけ方ですが、ここでは最終的なフィニッシュの形のみ説明しています。
- 両足で相手の腕を固定
- 相手の腕を小指の方向に引く
両足で相手の腕をはさみ「深く隙間なく」を意識しましょう。
お尻を深く入れ込み、相手の胴体に密着させます。
相手の肩を浮かせてやるようなイメージ。
膝はガッチリ締めましょう。
腕十字は足を組めたらベター
足を組むことでより極まりやすくなります。
頭側の足は外されても最悪OKです。
胴体側の足が残っていれば、まだ極められる(きめられる)パターンがあるからですね。
反対に胴体側の足が外れると逃げられ易くなってしまいますよ。
組んだ足で肩甲骨を引き寄せるようにするとより極まりやすくなります。
相手の体により密着することができ、極める腕を深く固定できるからですね。
相手の手の向きは?
てのひらがどちらを向いているかが重要です。
なぜなら、それによって肘関節の可動域が変わるからなんですね。
ポイント
基本的には親指を上に向けた状態で、小指の方向に引くこと。
仮に親指が上を向いてなかったとしても、小指の方向にさえ力を入れられれば極めることができるのです。
腕十字はどっちの手で相手の腕を抱える?
基本的には頭側の腕で抱えると良いでしょう
何故なら反対の手で足をとることができるからです。
極める際に、相手に起き上がられてしまうことはよくありますよね。
しかし足を取っていれば起き上がれないんです。
ただ状況によっては胴体側の腕(イラストだと右腕)で極めるパターンもありますよ。
腕十字の疑問あれこれ
腕十字の呼び方に関して。
- 腕十字
- 腕ひしぎ十字固め
- 腕ひしぎ逆十字
このように色々な呼び方があるんですね。
格闘技だと「腕十字」「腕ひしぎ十字固め」がオーソドックス。
プロレスだと「腕ひしぎ逆十字」と呼ぶ傾向があるようです。
腕十字は実戦だと噛みつかれる?
腕十字に関し、空道(くうどう)の東孝(あずまたかし)創始師範から教えて頂いたことがあります。
腕十字をかけた際「相手の頭を抑えている側の足」を噛まれる危険性があるということ。
それは確かにありそうな話ですね。
相手の腕を伸ばせたとしても、本気で噛まれたら深刻なダメージを受けるでしょう。
頭に入れておくといいかもしれません。
腕十字の基本まとめ
- 腕十字は肘を固定して肘関節に圧をかけて壊す技
- 足を組むと尚良い
- 小指の方向に圧をかける
- 頭側の腕で抱える
腕十字には色んな種類がありますが、基本はこれです。
マウントからの腕十字
ここからはマウントからの腕十字に関して説明しています。
- マウントからの腕十字のやり方
- シンプルな打ち込み練習法
ちなみに私が携わっている総合武道・空道だと最も使われるのがこのマウントからの腕十字になります。
マウントからの腕十字【基本的な流れ】
オーソドックスなやり方を説明していますよ。
膝で脇を開かせる
マウントから体を前方へスライドさせます。
その際、相手の脇を開かせましょう。
膝で突き刺すイメージですね。
同時に極めにいく腕を抱えます。
S字の格好になる
片方の足を「あぐらをかくような感じ」で前に投げ出します。
極める腕の対角にある足ですね。
もう一方の膝を相手の後頭部に押しつけ、S時の形をつくります。
足は常に隙間なく、相手に密着させるようにしましょう。
体重をかける場所は、横隔膜(みぞおちのちょっと上)がベストです。
下の人にとっては、ピンポイントで乗られるとかなり苦しいんですね。
腕を極めてフィニッシュ
頭を跨いでいきます。
手をつくとバランスがとりやすいですよ。
そのまま上に乗った状態で極めてもOKです。
ポイントは、相手の足の方向へ体を反ること。
倒れ込んで極めるのも良いですね。
よくある腕十字の失敗パターン
起き上がられる
後ろに倒れながら相手をまたごうとすると、起き上がられます。
しっかり両足で挟んでから倒れるのが基本。
ただしあえて起き上がらせておき、三角絞めを狙うパターンもありますよ。
腕を抜かれる
両足による固定が甘いと腕を抜かれて逃げられます。
後ろへ倒れて極めるやり方だと、そのまま抑え込まれてしまいますよね。
ですから、やはり上に乗ったまま極めることをおすすめしますよ。
腕十字のオススメ練習法
腕十字の反復練習法です。
これはブラジリアン柔術連盟会長の中井祐樹先生に教えて頂きました。
テンポよく繰り返すことで基本的なムーブが身につきます。
打ち込みなので、やりやすいように手は伸ばしておいてもらいましょう。
- 腕を抱えつつ相手の胸に両手をあてる
- それを支点にして体を90度回転させる
- 腕を抱えたまま倒れ込んで極める
最初はスムーズにいきませんが、繰り返す内に慣れます。
両手を支点にしてくるくる回るイメージですね。
飛びつき腕十字
飛びつき腕十字は一見難しそうに見えますよね。
しかしポイントを踏まえたら誰でもできます。
ジャンプ力やセンスは関係ありません。
飛びつき腕十字の組み方
以下の2箇所を手でロックしましょう。
- 二の腕
- 首
練習の際は相手にも軽く組んでもらいます。
腕をだらんと垂らされるより、その方が遥かに技をかけやすいからですね。
小指と薬指で軽く引っ掛けておくような感じで手を置きましょう。
ポイント
「掴む」という動作は全て小指・薬指・中指しか基本的には使いません。
親指・人差し指を使うと腕に力が入りやすく、小指・薬指・中指は背中の力を使うことができるからなんですね。
腕より背中の方が大きな力を生み出せます。
隙間のないように密着することが大事です。
距離があると力は逃げてしまいますからね。
飛びつき腕十字のしかけ方
飛び上がると同時に、相手の脇の下に足を潜り込ませましょう。
高く飛ぼうとする必要はありません。
自分の頭を相手の股に潜り込ませていきます。
この時、特に大事なのは以下の点になりますよ。
- 常に密着したまま(手のロックをタイトに)
- ぶら下がって全体重をあずける
やってしまいがちなのは、無理に相手の頭をまたごうとすること。
それよりも小さく鋭く回転することを意識しましょう。
練習の時はパートナーに軽く踏ん張ってもらうようにしましょう。
技をかけやすいように受けてあげることが大事なんです。
飛びつき腕十字のフィニッシュ
うまくいけば頭をまたいだ勢いで転倒させられます。
後は基本通りに腕を極めるだけですね。
「てこ」の働きを利用して転倒させることができるんですね。
- またいだ足で頭を押す
- 足をすくった手で手前に引く
互い違いに力を加えることで「てこ」は生まれます。
初めは座った状態から練習しよう
最初から立った状態で練習してもうまくいかないでしょう。
そんな時は、相手に膝立ちになってもらうとやりやすいのです。
ヤスケビッチ式腕十字
バックからの腕十字のひとつにヤスケビッチ式腕十字があります。
練習の時は相手によつん這いになってもらい、技を打ち込みましょう。
- 腕を差し込む
- 反対の手で体を支える
この時、上記画像のように自分の足を相手の奥足に引っ掛けること。
もう一方の足は、足首をしっかり返して頭をガッチリとロックします。
その上で小さく鋭く回転していきましょう。ポイントは体をできるだけ相手に近づけた状態で回転することです。それぞれの足で矢印の方向へ力をかけましょう。
両足の力が噛み合えば「てこ」の原理できれいに回転させることができるんです。
片方の手で回転を補助してもOKですよ。
最後に、頭をまたいでフィニッシュです。
亀の相手にはどうやって仕掛ける?
そこで以下の2パターンを紹介します。
- 奥襟と帯を持って引き上げる
- 肘で背中をグリグリする
1は着衣の場合です。
バックから相手の奥襟と帯を持ち、デッドリフトのように同時に引き上げましょう。
どんなに耐えられても、的確に力を入れれば引き上げられますよ。
その瞬間を逃さず、脇をとったり足を入れたりしましょうね。
2は簡単でお手軽。
相手の背中の中心あたりを肘でグリグリするだけ。
嫌がって動きがおこるので、その瞬間を狙って技を仕掛けます。
ヤスケビッチ式腕十字のポイントまとめ
- 両足でしっかり要所をロックする
- 小さくするどく回転する
- 足の使い方が超大事
ヤスケビッチ式腕十字を憶えておくと便利ですよ。
バックをとったときのみならず、マウントで反転された時にも仕掛けやすいです。
腕十字からの逃げ方
最もオーソドックスな腕十字からの逃げ方を2つ紹介しています。
腕十字からの逃げ方その1【足のロックを外す】
まず前提として、極められそうな腕をひねるか、着があれば裾(すそ)を掴むなどして凌ぎましょう。
とっさに凌ぐ方法については後ほど解説しています。
なんとか凌ぎつつ、相手の足を掴みます。
そして自分の足をからめましょう。
この時点でロックが解除され、腕はもう極まりません。
さらに頭にかかっている足を外します。
足を頭の上にずらし、自分の頭を乗せていきます。
相手の太ももの内側を枕にしましょう。
ブリッジの要領で頭に全体重かけてください。
これがやられる側からすると非常に痛いのです。
ブリッジしつつそのまま起き上がります。
完全に起き上がるまでは、ブリッジによる太ももへのプレッシャーは緩めないこと。
パスガード→横四方で抑え込んでフィニッシュです。
腕十字からの逃げ方その2【宇野逃げ】
修斗、DREAM、HERO'S、UFCなどで活躍した総合格闘家の宇野薫選手によって有名になったエスケープ方法ですね。
いくつかポイントがあるので説明したいと思います。
今でこそ主流ではありませんが、足を胴体に引っ掛けて行う腕十字がありますね。
このような時が宇野逃げのチャンスです。
ただし、足を取られている場合は万事休す。
逆に「腕十字をかける側」からすれば、足をとっておけば相手に逃げられにくくなるということ。
イラストのようにてくてく回っていきます。
右腕を取られている場合は時計回りですね。
相手と一直線になれば、半分は成功したと言っていいでしょう。
この時点で、もう腕を極めることはできません。
さらにてくてくしつつ、うつ伏せになります。
そのまま抑え込みに行き、横四方をとってフィニッシュ。
腕十字をとっさに凌ぐ方法
画像のように、極められそうな腕を内旋して肘を曲げられればとりあえずは凌げます。
この時に相手の道着を掴めればより強固になりますね。
ただし、ここで安心してしまうとやがては極められてしまいます。
すぐに先述したエスケープ法などを駆使して逃げ切りましょう。
最強ディフェンスはこれ
着衣であれば自分の裾を掴むのが安全です。
1番良いのは、道着の中のたるみを掴む方法。
ここまでやっておけばほぼ極められないです。
ただし、腕十字の態勢に入られている時点で不利な状況なのは確か。
一旦はこのようなやり方で凌ぎつつ、完全な脱出を図りましょう。
腕十字からの逃げ方まとめ
- 相手の足を外す逃げ方
- てくてく回る宇野逃げエスケープ
- 腕を取られてもとっさに凌ぐ方法を覚える
ただ身も蓋もないことを言ってしまうと、ガチで強い人からは逃げるスキすらほとんどありません。
腕十字の態勢に入られた時点で圧倒的不利であることは確かなんです。
しかし、これらのエスケープで凌げる相手も結構いるはず。
だから憶えておいて絶対に損はありませんね。
腕十字まとめ
腕十字の基本から応用まで網羅的に解説してきました。
まずは打ち込みをして技のかけ方を試してみましょう。
ある程度できるようになったらスパーリングでどんどん試すと良いと思いますよ。
それでうまくできなかったり逃げられたりしたら、また課題を見直す。
その上でまた「打ち込み → スパーリング」という流れで向上させていきましょうね。
-
おすすめ格闘技8選【強くなりたい人向け】メリットや選び方を解説!
※この記事には広告・プロモーションが含まれており、アフィリエイトリンクを利用しております 格闘技に興味があるけど種類が多すぎてどれがいいのかわからない、という方は多いでしょう。 本記事はそんな方に向け ...
-
空道(くうどう)を徹底解説|大道塾・着衣総合格闘技の特徴を紹介!
※この記事には広告・プロモーションが含まれており、アフィリエイトリンクを利用しております 空道(くうどう)とは武道の一種です。 ルールの特徴をわかりやすく言うなら、道着を着ておこなう総合格闘技。 そん ...
-
おすすめ護身術6選【男性編】選び方や格闘技との違いについても解説
※この記事には広告・プロモーションが含まれており、アフィリエイトリンクを利用しております 「理不尽な暴力」というのは恐ろしいものですよね。 いじめ 通り魔 無差別殺人 これらに関する酷い事件をニュース ...
-
女性におすすめの護身術5選|いざという時に役立つ技・知識も紹介!
※この記事には広告・プロモーションが含まれており、アフィリエイトリンクを利用しております 物騒な事件をニュースなどで目にするたび「自分や家族の身にふりかかったらどうしよう…」 そんな不安に襲われたこと ...