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格闘技を行う上で、ランニングに対する疑問をよく聞きます。
- ランニングでスタミナは上がるのか?
- ランニングでパンチ力は上がるのか?
- そもそもランニングする意味って何?
本記事ではこのような疑問に答えています。
一般的な運動学的視点によるものと、私なりの考え方をあわせて紹介していますよ。

ちなみに、私も昔から日々ランニングを行っていますが、現在では一般的なランニングとは目的もやり方も異なる自己流です。
ウチダ式自己流ランニングは記事後半で紹介しているので、よかったら最後までお付き合いください。
なお、ランニング含めトレーニングは栄養補給と休養をセットで行いましょうね。不足しがちなタンパク質(プロテイン)の補給には特に気を配りましょう。
ランニングで格闘技のスタミナは上がるのか


結論を言えば、きっちり行えばスタミナ向上の効果はあると考えて良いでしょう。



「きっちり行う」とは心拍数・LT・OBLAなどの数値を測定し、それに応じた強度で行うということですね。
- LT=乳酸性閾値と呼ばれ、簡単に言うとややきつい強度を示す指標のこと
- OBLA=乳酸蓄積開始点と呼ばれ、LTよりかなりきつい強度を示す指標のこと
運動学的に言えば、スタミナの定義は心肺持久力の高さです。



でも格闘技のスタミナって心肺持久力だけじゃないよね?



確かに。組み合いで必要とされる筋力や筋持久力も大いにスタミナに関わるね。
ややこしいので、とりあえず本記事では「スタミナ=動き続けられる時間」ということで定義します。
ちなみにLTやOBLAの測定は専門の機器が必要となるので、個人レベルで計測するのは難しいんですよね。
なので、せめて心拍数だけでも測ってランニングしましょう。心拍数は安価なスマートウォッチなどで簡単に測れますよ。
心拍数に応じ、適切な強度でランニングを行えば、効率的に心肺持久力をあげられます。
そのようなデータ測定をせず、ただ自分のものさしで「何となく追い込む」のは非効率的ですよね。



ちなみに、心拍数とスタミナの関連性については以下の記事を参考にしました。
【目的別】心拍数の目安はこちら
仮に20~30分ほどのランニングを行うとして、ざっくりと心拍数の目安を表にしました。
目的 | 心拍数の目安(35歳の場合) | 体感 |
---|---|---|
がっつり持久力アップ | 130 | きつい |
ちょっと持久力アップ | 110 | ややきつい |
運動不足を解消する程度 | 90 | 楽勝 |
年齢層でも目標心拍数は変わってきます。ここでは35歳の方を想定したシュミレートとなっていますよ。(当ブログの読者層は30~40代がメインであるため)
ちなみに目標心拍数の算出方法は非常にややこしいです。しかし、以下のサイトでは年齢を入力するだけで自動計算してくれるので便利。
ちなみに、私は心拍数120程をキープしつつ5kmほどランニングしていました。試合にバリバリ出ていた20代の頃の話です。



ぶっちゃけ「俺スタミナ上がってるぜ!」って肌身で感じたことはなかったなあ…
どちらかと言えばミットやサーキット(HIITのように様々な種目をかけ合わせた複合トレーニング)の方が効果を感じられました。
そのサーキットメニューに関しては以下の記事で一部を紹介しています。


格闘技におけるスタミナは「慣れ」説
動作への「慣れ」がスタミナ消費を抑えているのは紛れもない事実でしょう。
同じ動作を繰り返し行うことでより省エネで動けるようになり、スタミナ消費も抑えられるということです。



ならとにかく試合に出まくるのが一番じゃない?



そうなんだけど…試合の開催頻度、ダメージや疲労の蓄積にも左右されるよね。
ですから結論「試合で行う動作に慣れること」を意識し、トレーニングメニューを組み立てるのがオススメ。
MMA(総合格闘技)であれば、ミット練習の中に組み合いや寝技の動きも取り入れることで、より実践的になりますよね。



私も、2014年の世界大会の前は地獄のようなミットトレーニングをしたもんです。
【体験談】地獄のスタミナUPトレーニング
私がよく行ったのは「ミット打ち+押し合い」の複合トレーニング。
ミットを持つ人以外に、もう1人「組み付き係」として協力してもらいます。
ミットを全力で打っている間「組み付き係」の人にたびたび組み付いてもらうんですね。そしたらその「組み付き係」を壁の端まで押し返さなければなりません。
こちらはミット打ちで消耗しているのでヘロヘロ。しかし相手はピンピンしているので容赦なく抵抗してきます。



力を振り絞って押さないと微動だにしないのです。これがきっついきつい。
選手は皆、声を張り上げて取り組んでいましたが、それはもう地獄のような光景でした(笑)
試合中でも、打ち合いながら距離が縮まり、組み合いになることが多々あります。そんな時にスタミナが尽きぬよう組み合いに慣れることが目的なわけですね。
ランニングでパンチ力は上がるのか


当ブログのオリジナル漫画「空道家物語」より
これは意見が分かれる部分かもしれません。しかし私はランニングがパンチ力に繋がると考えています。



もちろん、ランニングのやり方にもよりますよ。
ステップにしても、パンチを打つにしても、それは走る動作と直結する動きです。



足で地を蹴り、体の軸が回転し、腕が振られる…この動作はパンチそのもの。
ボクサーはステップを踏みっぱなしで長丁場を戦い抜きますよね。だからランニング、縄跳びなどを重要視するんです。
ですから心肺持久力を高めるだけではなく、ランニングの目的はステップやパンチ力の強化を図るためでもあるのですね。


ジムワークだけでは減量が難しいからロードワークもせねばならない…という理由も、もちろんあります。ジムや道場の練習だけでは、そのトレーニングに体が慣れてしまって体重が落ちにくくなりますからね。
ランニングの種類や基本
ランニングと言えば長距離走のイメージを持つ人が多いでしょう。
しかし、ひと口にランニングと言っても様々な種類がありますよね。
種類 | 距離 | 目的 |
---|---|---|
超短距離 | 5m~10m | 踏み込みのスピードUP |
短距離 | 100m~400m | ラッシュの爆発力UP |
中距離 | 800m~1500m | 1ラウンド辺りのスタミナ向上 |
長距離 | 1km~10km | 試合全体のスタミナ向上 |
格闘技は持久力だけではなく、短い時間で全力ダッシュをするような無酸素運動の要素も多分にあります。
例えば、弱った相手を一気に仕留めるラッシュ時。ラッシュの爆発力は短距離のダッシュなどで伸ばせるんです。



多くの格闘技は1ラウンド3分であることが多いよね。ボクシング、キックボクシング、空道もそうだし。そんな競技には中距離が効果的なのかな?



ラウンド数にもよるけど、1ラウンド3分の格闘技は400m~800m走が効果的と言われるよ。めちゃくちゃしんどいけどね(汗)
このように、格闘技の特性に合わせて様々な距離のダッシュを取り入れることが肝要なのです。


以前は息止めダッシュなんて無茶もしていました。しかしこれは体に相当な負担がかかるため、オススメできません。
踏み込みの鋭さ向上!超短距離走(5m)のすすめ
意外と盲点なのが5~10mの「超」短距離走。5~10mほどの超短距離走は踏み込みの鋭さを上げてくれます。
相手との距離を一瞬で縮めるための脚力。それはあらゆる格闘技で必須の能力ですよね。
しかし取り組んでいる人は多くありません。



一定のスピードを保ったまま走り抜く50mや100mダッシュとは趣旨がちょっと異なるんですよね。
目安としては5m~10mの距離を10本~30本ほど、相手の懐に飛び込んでいく感覚で爆発力を意識しながら行いましょう。
ちなみに、5m~10mくらいの距離であれば道場など屋内でも行えますので、普段の稽古やジムワークの一環として取り入れるのもオススメですよ。
【ランニングの基本】フォーム・頻度・リカバリーなど


ランニングのフォーム
長距離の場合は以下が基本となります。
- 体の軸をまっすぐ保つ
- 目線は前
- 腕の振りを意識
気持ち前傾することによって、足が自然に前に出ていく感覚で行うと良いですね。


腕の振り幅は、上記画像の通り。
- 腕を後ろに引く時 → 拳が体の中心より後ろに出ないこと
- 腕を前に出す時 → 肘が体の中心より前に出ないこと
これ以上振り幅が大きいと、短距離用のフォームになってしまうんですね。
また、着地の際の足に関して。足の中心(土踏まずの辺り)からつま先に向けて順に着地していくイメージです。
つま先から着地すると膝への負担が大きく、かかとで着地すると体が後傾するような形になってしまいますね。



ちなみに、この項のフォームに関して参考にした動画は以下です。
ランニングを行う頻度



ランニングを行う頻度はやっぱり毎日じゃないとダメ?



心肺持久力の強化なら毎日が理想だけど、週2~3回でもやらないよりは断然良いでしょ。つらくて挫折したら元も子もないしね。
なお、ランニングを行う時間帯は、最も脂肪燃焼効果の高い朝がオススメです。
ランニング前後の栄養補給
ランニング前のオススメの栄養補給に関し、ざっくり表にしました。
ランニングまでの時間 | 食事内容 |
---|---|
20~30分 | セリー飲料、バナナ |
1~2時間 | バナナ、おにぎり |
3時間以上 | 通常の食事 |
朝起きてすぐ走る場合、バナナやゼリー飲料(VAAMやウイダーなど)がオススメ。
ランニング後は糖質(お米やパンなどの炭水化物)の補給を意識し、食事を摂りましょう。
起床直後は体が飢餓状態なので、何も摂らずにランニングすると筋肉が分解されてしまいます。だから栄養補給は超大事。



ちなみに私の場合、朝起きたらすぐにEAA+バナナを摂っていますよ。
起床後にプロテインを飲む人も多いと思いますが、EAAだと既にアミノ酸まで分解されているため、体内への吸収が早くてオススメ。



ぶっちゃけEAAとかBCAAとかよくわからんのだが…プロテインじゃだめなの?



プロテインでもいいよ。ただEAAに比べると消化吸収が遅く、体内に取り込まれるのに1時間くらいはかかるので、気持ち早めに摂ると良いね。
プロテインであればトレーニング開始の1時間前くらいまでには飲みたいところです。


ランニングコースについて
どんな場所・地形を走れば良いか悩みますよね。
理想は「芝生・土・陸上用のトラックなど地面の柔らかい場所」です。
アスファルトは膝などへの負担が大きくなるため。



芝生とか土とか…そんなの近所にないんだが…



まあ…過剰に意識しなくても良いけど、不安ならスポーツジムのトレッドミルやエアロバイクで行おう!
膝に故障を抱えている方も少なくないと思います。エアロバイクならば膝に負担をかけることなく有酸素運動を行うことができますよね。
エアロバイクは安価なものだと1万円程度で購入できますが、スポーツジムに通うのもありでしょう。筋トレもできて一石二鳥です。
また、ランニングシューズには投資を惜しまないこと!これめっちゃ重要です。
靴のスペックによって膝や足腰への負担は大きく変わってくるんです。
また、長距離メインなのか?ダッシュもたくさんやるのか?用途によっても適したランニングシューズは変わってくるんですね。



しっかりリサーチするか、またはスーパースポーツゼビオのようなスポーツ用品店で店員さんに尋ねましょう。
ちなみに、私が使っているのはアシックスの「ライトレーサーTS6」(asics LYTERACER TS6)というランニングシューズ。


スポーツゼビオの実店舗で購入したランニングシューズです。どちらかと言えばスピードトレーニングに向いているそうですが、長距離にも対応できる万能シューズとのことで店員さんに紹介して頂きました。
【自己流】ウチダ式ランニング
わたくしウチダの場合、現役時代と今とでラントレの内容は全く違います。
試合に出ることのなくなった現在では、ランニングをランニングと捉えてません。ランニングは体の状態を計り知るための手段。



力の抜け具合を確かめながらゆっくり走ります。時にはパンチを打つように、時には相手の攻撃をかわすように、時には舞うように…。


サイドステップを織り交ぜたり、時折ウィービングしながら進むこともあります。





いきなりウォービング始めたら、通行人びっくりするわ(笑)



だからなるべく周りに誰もいないタイミングでやってる(笑)
こんな具体に、ランニングは格闘技における動きの確認と言えますね。そういう意味ではシャドーやミットと変わりません。



じゃあ道場でシャドーやミットだけすれば良くない?



道場で動くのとはまた違うよね。気分的に。



気分の問題かい…!



その通り。外の景色を見つつ自然を感じながら動くのがいいんだ。気持ちが高揚する。
同じ場所にこもって同じ練習だけしていても強くはなれません。
時には自然のエネルギーを感じながら動くことが大事なのです。
科学的な観点から言えば、陽の光を浴びればセロトニンの分泌を促すことができ、ポジティブな気持ちになれて動きにも良い影響が出る…と表現できますね。
ですから、積極的に外での練習も取り入れると良いですよ。
ウチダ現役時のロードワークメニュー


20代のバリバリ試合に出ていた頃は、1時間ほどのロードワークを週5回行っていました。
1時間ずっとランニングするわけではなく、坂道ダッシュやシャドーも含めた合計の時間です。
- 約5kmのランニング(心拍数120ほどをキープ)
- 坂道ダッシュ5~10本
- 超短距離ダッシュ・反復横跳び・後ろダッシュなど各5~10本



当時は池袋近辺に住んでいたのですが、雑司が谷や目白あたりには急な坂道がよりどりみどり!トレーニングにはもってこいでしたよ。
日替わりで色々な坂道を駆け抜けてました。
ロードワークの締めは、雑司が谷霊園でスピードトレーニング。超短距離ダッシュ・反復横跳び・後ろ向きダッシュです。
霊園は土なので膝への負担が少なく、お気に入りのトレーニングスポットでした。早朝だったので冬はまだ暗く、ちょっと怖かったですけどね(笑)
格闘技のランニングまとめ
最後に要点をまとめています。
- スタミナ向上目的のランニングなら心拍数を測ること
- ランニングはパンチ力強化になる
- 目的に応じて様々なランニングに取り組むと良い→長距離・中距離・短距離・長短距離
- 正しいフォームを意識してランニングに取り組むこと
- ウチダ式ランニング(体のメンテナンス・技の確認目的のランニング)もおすすめ



ちなみに、なぜウチダ式にたどり着いたかと言うと、普通に走っていてもつまらないと感じたためです。
ランニングをランニングとしてではなく、シャドーやミットのようにいつもの格闘技の練習だと思えばやりがいを感じるし飽きにくいんです。
走るのがつまらない…苦痛でしかない…そんな方は是非試してみてください。


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